「空中ブランコ 第11話 最終回」

  • 2010/01/06(水) 17:57:03

□ 空中ブランコ


第11話「カナリア」



空中ブランコ 初回限定生産版 第1巻 [DVD]




・津田英雄は伊良部総合病院の救命救急科副部長。
・年末ということも重なって、忙しく働きます。

・津田は、妻から大事な相談があるとメールを受け取りますが、帰ろうとはしません。
・むしろ部下の代わりに夜勤を引き受けようとする。

・息子の雄太はケータイ中毒(第6話「フレンズ」参照)。
・食事中も携帯を離さない雄太に、津田は苦い顔。

・妻の久子はほとほと困り果てますが、津田は子育てを彼女に任せきり。
・けれど妻に泣きつかれ、とうとう副理事でもある伊良部に相談します。

・打たれた者がシンボル化する注射を津田に打つ、伊良部。
・しかし、患者ではない普通な津田は、そのままでした。


「やれやれ、こういう患者じゃないフツーの人が、一番厄介なんだよね~」と言う、伊良部。


・妻が頼っても取り合わず、息子とすれ違っても気づかない。
・津田は全精力を患者に費やしているようでした。

・ある日のこと、津田は何かに追われるようにトイレに駆け込むと、叫び始めます。


「何で分かってくれないんだ! 女子供は浪費するしか能がねぇのか! まったく、家族なんて~、持つもんじゃぁない!」


・患者には親切な津田ですが、妻には冷淡。電話にも出ません。
・むしろイライラして、トイレに駆け込んでしまう。

・何度も電話してくる妻に、ついに津田は患者の前でキレてしまいます。
・「これ以上オレに何をしろって言うんだ!」、携帯でそう怒鳴ってしまうのでした。


「わたしは関係ない、あいつらが勝手に喚いているだけだもん!」
「いいじゃんかよ、ボクが仕事して金持ってくれば、こいつら、とりあえず死にゃしないもん」
「仕事はボクを、裏切らないし~~」
「みんな、褒めてくれるし~~」
「ボクは仕事が忙しいんだ、家族の世話まで無理~~」
「ボクの仕事ぶりを理解しろ!」


そう地団駄を踏む津田は、まるで子供のようでした。


・トイレに駆け込む事が多くなった、津田。
・そこで妻と息子について嘆き、怒ります。

・自分は悪くない。精一杯やっている。
・それを理解しない家族が悪い。

・そう叫ぶ津田に、伊良部は、「まだ気づかないんだ?」と。


「津田さんは、もう気づいてるんじゃないかな? ずっと聞こえてたんじゃないの? そのカナリアの声が」
「知ってる? 昔、カナリアが炭鉱で大切な役目を負っていたのを」
「そう、カナリアは周りの何かがちょっとおかしくなった時に、真っ先に知らせてくれるの。家族や仕事、人間関係なんかのね」
「津田さん、あなた、雄太くんがどのくらい頑張っていたか、知ってるの?」
「津田さん、あなたは逃げる事ができたじゃない。仕事に、逃げる事が」
「でも雄太くんは、どこにも逃げる場所がなかったんだよね。守ってくれる家にさえもね」
「雄太くんは、そのカナリアなんだよね。そう、雄太くんは、あなたに知らせたかったんだよ。家族から、逃げている、あなたに…」




「あなたは気がつかなきゃいけないね。周りにいる、すべてのカナリアの声にね」
「カナリアは、周りがちょっとおかしくなった時に、まっさきに知らせてくれる、英雄なんだ」
「だからこそ、気がつかなきゃいけないんだよね、ボクら――みんなね」




・「一人っていいですよね。楽だし」と、マユミに話す、雄太。
・「ボクって、この世に本当は必要ない人間なのかなぁ~って、思うんですよね」と。
・それに対しマユミは――

「アンタ、気づいてないんだよ。自分がどんなに大切な人間で、どんなに愛されてるかってことをね」


・そこに父・英雄から、雄太にメールが。
・添付された写メには、不器用ながらクリスマスを祝い雄太を待つ、父の姿が…





弱ったカナリアは、時に、困った存在とされる。

時に、問題とされる。

時に、お荷物とされる。

時に、ため息をつかれる。



でも、カナリアが弱るのはなぜ?

カナリアは悪いの?

カナリアが知らせたいのは…





イン・ザ・プール (文春文庫)





目に見える問題、

それとは別の、知らせたい問題。

知らなきゃならない問題…





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「空中ブランコ 第10話」

  • 2009/12/24(木) 15:54:15

□ 空中ブランコ


第10話「オーナー」



空中ブランコ 初回限定生産版 第1巻 [DVD]




・大日本新聞社 会長兼、プロ野球チーム・大日本グレートパワーズのオーナー、ナベマンこと田辺満雄。
・ある日、記者のフラッシュを浴び、気を失ってしまいます。

・精神科医・池山達郎(第5話参照)の紹介で、田辺は伊良部のもとへ。
・いつものようにビタミン剤を注射しますが、田辺は動物に変化(シンボル化)しません。

・伊良部の見立てた診断は“パニック症候群”。


“何らかのストレス下に置かれた時、突然、動悸・震え・めまいなどが襲ってくるのがパニック発作。フラッシュに反応するパニック発作も珍しくなく、もうダメだ、死んでしまうと恐怖を感じてしまう場合もあり、結婚式や卒業式など、大切な行事にも行けなくなり、日常生活にも支障をきたしていったりする。また、進行するとうつ症状を併発することもある”


・フラッシュを浴びた時、ヘンな幻を見てしまうという田辺。
・コマ割のような、フラッシュバックが見える。

・伊良部は、死ぬのが怖いのではないか? と訊きます。
・暗闇は棺おけ、フラッシュは天国の光、というわけ。

・普通の人はリタイアして自然とフェードアウトしていけばいいが、権力者は終わりに死しかない、と。
・権力者ゆえの症状ではないかというのです。だから、引退したらどうかと。


・日本を一等国にしたいと考える田辺。
・使命感に燃え、引退する気はない。
・未熟なこの国をなんとかしたいと考える。

・ある日、田辺は記者ともめてしまいます。
・そして、猛烈なフラッシュが彼を襲う。
・でも、サングラスの効果か、発作はありませんでした。

・それも束の間、夕暮れを見て再びパニック発作を起こす、田辺。
・しかし、引退する気はありません。

・直後、記者に囲まれ大量のフラッシュを浴びた田辺は発作に襲われ、伊良部の車に。
・開放感のある伊良部のオープンカーは、爽快でした。

・そこで田辺は、フラッシュバックを経験しますが、それは思い出でもありました。
・思い出、歴史…。自分の、日本の…

・東京も変わった、時代も変わった…
・時代を変えようとばかり考えてきたけど…



「みんなが若く貧しかったが、みんな幸せだった…」


「帰ろう。もういい。疲れた…」




時の流れを知り、田辺は、年齢の分だけ、歳をとりました。

実際の年齢と、頭の中の年齢が、一致した…



「オレは手を引く。いわば死人だ」


そう言って田辺は笑いました。


そして引退した彼の元に、人が…





町長選挙 (文春文庫)





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「空中ブランコ 第9話」

  • 2009/12/19(土) 17:44:31

□ 空中ブランコ


第9話「天才子役」



空中ブランコ 初回限定生産版 第1巻 [DVD]




・安川ヒロミは俳優。
・困ったことに、いつ何時でも笑顔になってしまう。

・緊迫した撮影シーンでも、注射される時でも、自然とスマイルが浮かぶ。
・伊良部が下した診断は、“自己愛性パーソナリティ障害”でした。


“自己愛性パーソナリティ障害とは、自分を大切に思う気持ちで心が一杯になり、常に賛美と称賛を求める、自己中心的な欲望が肥大化した病。家族や周囲から真の愛を得られず、自分で自らを愛すしかないという、寂しさの裏返しでもある”(↑福井っちの解説)


・家に帰ってもイメージ・チェックを欠かさない、ヒロミ。
・彼は、「ヒロちゃんスマイル」で一世を風靡した天才子役でした。

・彼のイメージは、子役時代のイメージ。
・笑顔の安川ヒロミ。

・マネージャーの厚子は口論の末、今月でヒロミが事務所を解雇されると口走ってしまいます。
・が、ショックを受けても、ヒロミはスマイルを浮かべたままでした。

・布団の中で泣き明かしたヒロミですが、嫌がっていたオーディションに参加することに。
・ただ、受かるには、人前で笑わないようにしなければならない。

・伊良部は、注射中に一瞬スマイルが消えたことに気づきます。
・痛みが笑いを抑える? その可能性にかけて、ヒロミはオーデションへ。


・ところが、なぜか伊良部もオーディションに参加。
・その伊良部の発言をきっかけに、ヒロミは追い詰められますが…



「イメージなんて、最初から、ないんじゃない? だから、イメージを守るとか、イメージチェンジとか、関係ないんじゃん」
「イメージなんて、自分だけの鏡。ホラ、自分しか見えない。自分だけの虚像」
「イメージなんか、最初からないんだよ。イメージなんて、元からないんだよ」




イメージを守ることに固執して、いろんなものを失おうとしたヒロミ。

現実を知って、奈落に転落してしまいます。



でも、そこまで落ちることで、見つけたものが…



ホントの自分、ふっきれた自分、

自分の中、奥底から出てきたもの、

自分で出したもの、

紛れもないホンモノ。



イメージとか、人の目とか、過去とか、

そんなものに囚われない、

奥にあったもの。



あとは、それに合う場所に行けばよい…





町長選挙 (文春文庫)





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「空中ブランコ 第8話」

  • 2009/12/12(土) 17:10:54

□ 空中ブランコ


第8話「いてもたっても」



空中ブランコ 初回限定生産版 第1巻 [DVD]




・ルポライター・岩村義雄は、強迫神経症。いろんな事が気になって気になって仕方ない。
・タバコの消し忘れが気になって仕事中に帰ったり、確認後、戻ろうとしている最中にヤカンの火を消したか気になって、また引き返したり。万事こんな調子で、仕事にも支障が出てきました。

・伊良部に相談するも、生真面目すぎるんじゃないの? と笑うくらい。
・新しい雑誌で取材しますが、火が気になって仕事にならない岩村。

・行動療法と称したイタズラに付き合わされたり、記事を利用したホームレス詩人を追いかけているうちに本当の事故になったり、そんなことをしているうちに、スクープをひろったりと、何が良いのか悪いのか。

・症状は相変わらずですが、おかげで得たものも…



「強迫のおかげで有名になったわけだし。何でも気にし過ぎるから、スクープものにできたんじゃないの? 岩村さんさ、ルポライター、天職かもね」


それは確かに困る。

欠点かもしれない。

でも、

それで得られるものがあるとしたら…




「これも強迫のおかげじゃない…」



次は何が得られる?





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「空中ブランコ 第7話」

  • 2009/12/07(月) 22:12:58

□ 空中ブランコ


第7話「ハリネズミ」



空中ブランコ 初回限定生産版 第1巻 [DVD]




・ヤクザの若頭・猪野誠司は先端恐怖症(尖端恐怖症)。
・尖ったものが苦手で、ボールペンから秋刀魚(さんま)の頭、箸もフォークもダメ。

・度胸もあり腕も立つのですが、刃物が苦手で、そこが難点。
・伊良部のもとを訪れた誠司は、目に刺さるイメージがあることに気づきます。

・目が心配ならサングラスでカバーしたらどうかと伊良部はアドバイス。
・しかし、誠司はサングラスの尖ったツルに恐怖を感じてしまうのでした。

・そこで誠司は、ツルのないスキーのゴーグルを装着することにします。
・ゴーグル効果か、尖端恐怖症は治まったように思えました。

・ところが、今度は机の角が気になります。
・恋人(内縁の妻)が敵対する組織のシマ(支配地域・縄張り)に店を出そうとしたことで、誠司は因縁のあるヤッパのヤスと抗争間近まで揉めてしまいます。

・伊良部も交えて話し合いの場が持たれますが、そこでヤスが“ブランケット症候群”であることが判明します。


ブランケット症候群とは、別名、安心毛布。

人が物などに執着する状態を指します。何らかのお気に入りや愛着があり、それを肌身離さず持ちたくなったりする。場合によっては、それがないと不安になる。スヌーピーのライナスがそれですね。

ヤッパのヤスは、ドス(短刀・匕首)がないと居たたまれなくなるのです。


身近に同じような人間がいることを知って、誠司はちょっぴり安心した様子。


「極道なんて、みんなそんなもんかもしれねえな。弱いところがあるから、精一杯、つっぱって生きてる」


相変わらず尖ったものが苦手な誠司ですが、その内慣れるさ、と思えるようになってきました。



誰にだって怖いものがある。

相手もそう、自分もそう。

怖いものが悪いわけではない。

誰だって、何かが怖い…




「誠ちゃん、何だかやさしくなったみたい」





空中ブランコ (文春文庫)





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