「赤毛のアン 第49章“曲り角”」

  • 2012/06/29(金) 18:47:09

アンとマリラは、マシュウを送りました。

そして、悲しみの中で、絆を深めるのでした…



□ アニメ 赤毛のアン
(サンテレビにて再放送していました)




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5月27日(木) 第49章「曲り角」

・マリラは朝早くから、シャーロットタウンへ。
・そこで、眼科の名医に診察してもらいます。

・本土から来た評判のお医者とあって、
 待合室は混雑していました。

・グリーン・ゲイブルズの家事一切は、
 アンがやります。
・そこに訪れたのは、ダイアナ。

・アンの様子を見て、ダイアナは安心しました。
・だいぶ元気になっているようです。

・ダイアナに手伝ってもらって、洗濯物を取り入れる。
・パンも申し分なく焼けました。

・用事を済ますと、ふたりはダイアナの家へ。
・例のミシンを見せてもらうのです。


・マリラの目は、思ったよりも悪いようでした。
・お医者さんは、かなり症状が進んでいると診断した。
・手遅れにならなければいいが、とまで言います。

・肩を落とす、マリラ。
・馬車で送ってくれたマーチンも、心配な様子。


・帰り際、バリー氏は、アンに話があると。
・カスバート家の畑を貸してほしいというのです。
・来年はジャガイモの収穫を増やしたいからと。
・申し訳ないが、折を見てマリラに聞いてほしいと
 たのみました。


・家に帰る前に、
 マリラはレイチェル夫人の家によった。
・夫人はマリラに、グリーン・ゲイブルズを売って
 気楽に下宿することにしたらどうかと提案します。

・それはできないと拒否する、マリラ。
・思い出の家を売るなんて。


・家に帰ったマリラは、
 とても疲れたように見えました。
・医者が言うには、読書や裁縫はもちろん、
 目に負担をかけるようなことは一切やめた上、
 泣いたりなんかしないように、と。
・そして、先生のくださるメガネをかければ、
 この辺で食い止められるかもしれないという。
・逆に、その通りにしないと、
 半年以内に、完全に失明するだろうということでした。

・突然のことに、マリラは頭を抱えます。
・アンも、あまりのことに、何も言えない。

・時計が時を告げる音だけが、部屋の中に響きました。

・アンは何とか、励まそうとします。
・気をつけさえすれば、
 すっかり見えなくなる心配はない。
・それに、メガネで頭痛が治るなら、
 こんないいことはないと。

・しかし、マリラの悲しみは深い。
・本を読むことも、縫い物をすることも、
 全部ダメになったら、
 何を頼りに生きて行くというのか。
・目が見えなくなるほうがマシか、
 いっそ、死んでしまうか。
・そんなことまで、口にします。

・マリラは、
 この事はとうぶん人には言わないようにと、
 口止めしました。
・あれこれ聞かれたり、同情されたり、
 うわさの種にされるのは御免だからと。

・お茶を飲み、マリラは寝室へ。
・カップを洗いながら、アンは泣きました。
・泣かずにはおれませんでした。


・ひとり、涙にくれた、アン。
・しかしやがて、口元に微笑を取り戻しました。
・目はまだ涙に濡れていますが、心は平静に。

・アンは自分の成すべきことを
 しっかりと真正面から見据え、
 そこに見方を見出したのです。
・義務というものが、
 率直にこれを受け入れる時に、
 いつも、そうであるように。

・夕闇の中、アンは緑の屋根と、
 その上にある星空を見上げました。


・翌日からアンは、しばしば、
 外出するようになりました。
・馬車で遠くまで出かけることさえあります。

・いろんな人と会い、何か、交渉しているようでもある。

・アンが家に帰ると、
 マリラが見知らぬ男性と話しているのが見えました。
・お客は、レイチェル夫人の紹介でやって来た、
 ジョン・サドラーというカーモディーの人でした。

・その来訪の目的が、グリーン・ゲイブルズの
 運命に関わるものであることを、
 アンはまだ知らない。


・サドラーさんが帰ってから、
 マリラは何の用件だったかを、
 アンに話しました。
・彼は、グリーン・ゲイブルズを手放すと聞いて、
 買いたいと言ってきたのです。

・突然のことに驚く、アン。
・でも、マリラも、
 さんざん考えた末のことでした。
・歳をとって一人前に働くわけにはいかない上に、
 目のこともあります。
・アベイ銀行の倒産で、
 何もかもがうまくいかなくなってゆく。

・あんたがあの奨学金をもらってくれて、
 本当に助かったよ、と
 マリラは涙ながらに言いました。
・わたしはレイチェルのところに
 下宿することになるだろう。
・休みの時に帰る家がなくなるのは
 本当に悪いと思うけど。
・マリラは激しく泣きました。

・アンは、グリーン・ゲイブルズを
 売ってはいけないと言いますが、
 どうしようもない。
・マリラがひとりぼっちでいるわけにはいかない。

・ひとりでここにいる必要はないと、アンは言いました。
・わたしがいると。
・アンは、レドモンドには行かないことにしたのです。

・奨学金は辞退することに決めたという、アン。
・マリラが困っている時に、
 どうして放っておけるかしら、と。

・すでにアンは、教職に就くために、
 アボンリーとカーモディーの理事会に、
 願書を出していました。
・アボンリーはギルバートに決まりそうだから
 無理かもしれないけれど、
 カーモディーなら大丈夫だろう。
・ちょっと遠いけど、部屋を借りて、
 馬車で往復すればいい。
・そしてマリラに、本を読んであげたり、
 励ましてあげたりする。
・アンはそう決めていたのです。

・「わたしたちふたり、一緒にここで、楽しくしあわせに暮らせるわ」
・アンは、そう話しました。

・わたしのためにあんたを犠牲にするなんて。
・そう言うマリラに、アンは、
 とんでもない、と微笑みました。
・それは犠牲なんかじゃない。
・グリーン・ゲイブルズを手放す以上に
 悪いことはないと。
・それが一番つらいと。

・わたしの野心はちっとも変わらないと、
 アンは言いました。
・ただ、対象が変わっただけだと。
・立派な先生になるつもりだし、
 マリラの目を守りたい。
・それに、家で勉強して、
 大学の課程をひとりでやってみるつもりだという。

・アンは言いました。

「クィーンを卒業した時は、未来が1本のまっすぐな道のように思えたわ。でも、今は、そこに曲り角があるのよ。角を曲ると、どんな事が待っているのか分からないわ。その先の道は、緑の輝きとやわらかい色とりどりの光と影に包まれたものかもしれないし、見たこともない美しいカーブや丘や、谷が待っているのかもしれない。でも、わたしは、一番いいものがあるって信じてるの。だから全力を尽くしてやってみるわ。そうすればきっと、それだけのものが返ってくると思うの」

・わたしを止めることはムダだと、
 アンは言う。
・いつかレイチェル夫人が言ったように、
 ラバのように頑固だから、と。

・同情する必要はないと、アンは言います。
・大事なグリーン・ゲイブルズに
 いられると思うだけで、うれしいのだと。

・あんたのおかげで生き返ったような気がすると、
 マリラは涙ぐみました。

・それは、今までとは別の涙…




マシュウは父となり、マリラは母となりました。

それも、アンという娘が来たおかげです。

間違いでやって来た小さな女の子、アン・シャーリー。

彼女は、グリーン・ゲイブルズに欠けていたものを、補ってくれた。

そしてマシュウとマリラも、アンにたくさんのものを与えてくれた。


マリラには、まだ仕事が残されていました。

でも、それは、アンを大学にやることではありません。

本当にやるべきは、バトンタッチ。


何でも家のことはこなしてきた、マリラ。

ずっと、ひとりでやって来た。

それがアンが家にやって来て、教える立場になった。

はじめはいろんな騒動が起こりましたが、今では、アンがしっかりこなす。


そうなると、マリラは、任せることを覚えねばならない。

それには、何が必要か?


神様は、ひょっとしたら、目の病気というセッティングをしたのかもしれません。

それは一見、悪いこと、悲しいことのように思えるけど、それがないと、マリラは任せることがなかったかもしれない。


任せる時期が来た、そして、アンも、任せられるだけの存在になった。

そう、時が来た。

だから、こうなった。


…のかもしれない。


そう考えると、これもまた、

悪いことではない…





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次回は、最終回。




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「赤毛のアン 第48章“マシュウ我が家を去る”」

  • 2012/06/22(金) 16:08:20

突然の出来事に、アンとマリラは、抱き合って泣きました…



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5月26日(水) 第48章「マシュウ我が家を去る」

・二日が過ぎた。
・今日、マシュウは、
 生活のほとんどを過ごした
 このグリーン・ゲイブルズから
 去らねばならない。

・みなで、
 マシュウ・カスバートを送ります。
・懐かしい我が家を出て、
 毎日働いた農場、
 手塩に懸けた果樹園、
 自ら植えた木々などを後にして、
 静かに運ばれる。


・やがて、アボンリーにも平静が。
・グリーン・ゲイブルズから
 大事なものが失われましたが、
 それでも、日々の規則正しい生活が
 営まれるようになりました。


・ダイアナが誘いに来た。
・お父さんが頼んでいた、
 新型のミシンが届くそうなのです。

・でも、アンは、
 マシュウのお墓に行くところでした。
・マシュウの大切にしていたバラを、
 傍に植えようと思いついたのです。

・ダイアナもそれに付き合って、
 その後に、
 彼女の家に行くことになりました。

・墓にバラの花を供え、
 小さな苗木を植える。
・そのバラは、
 マシュウのお母さんがずっと昔、
 スコットランドから持ってきたものだという。
・それをマシュウが大事に育てたのです。

・毎年この花が咲けば、
 マシュウもグリーン・ゲイブルズに
 帰ってきたような気がするんじゃないかしら。
・そんな思いを込めて、
 見えやすいところに、やさしく植えました。

・どうかこのバラが、
 しっかり根をつきますように。
・そして、毎年夏が来たら、
 かわいい花が咲きますように。


・ダイアナと並んで歩いていたアンですが、
 突然、ここで別れるわ、と言って、
 走り出しました。
・そして再び、墓の前に立つ。

・マシュウがいなくても、
 その気になれば、
 前と同じようにやっていける。
・それがとても、うら悲しく思えました。

・自然や花、愛や友情が、
 これまでと少しも変わらず、
 アンの空想を刺激する。
・そして人生が、さまざまな声音で、
 強く呼びかけてくる。
・それに気づいた時、アンは、
 恥ずかしさと後悔に似たものを、
 感じました。

・アンは牧師館を訪れ、
 アラン夫人にすべての心情を話した。

・モミの木の後ろから
 太陽の昇るのを見たり、
 庭の淡いピンクの
 つぼみがふくらむのを見つけると、
 マシュウが生きていた時と同じように、
 うれしくて胸をわくわくさせてしまう。
・マシュウが亡くなったのに、
 こういうものを面白がるなんて、
 何だかマシュウに悪い気がする。
・とてもさみしいのに、
 この世界も、人生も、
 とても美しくて興味あるもののように思える。
・今日などは、ダイアナの話を聞いて、
 おもわず笑ってしまった。

・あのことがあって、
 わたしは二度と笑うことなんか
 できないだろうと思っていた。
・第一、笑ってはいけないんだという気がする。

・アラン夫人は、語りかけました。

・マシュウは、あなたの笑い声に
 耳を傾けるのが好きでしたね。
・そして、あなたが楽しんでいると分かれば、
 喜んでくれたでしょ。
・マシュウはね、
 今ここにいないというだけなのよ。
・だから、あなたが楽しむ姿を、
 これまでと同じように
 見たいと思うに違いないわ。
・自然が心の痛みを癒すように
 仕向けてくれるなら、
 わたしたちはそれに対して、
 心を閉ざすべきではないと思うの。

・もちろん、
 あなたの気持ちは分かります。
・でも、誰しも
 同じ経験をするんじゃないかしら。
・誰か、愛する人がこの世を去って、
 わたしたちと一緒に
 喜びを分かつことができなくなると、
 自分が何かに心を惹かれるということが、
 ゆるせないような気になる。
・そして、
 人生に対する関心が再び戻ってくると、
 悲しみに忠実でないような気がしてくる。


・アンは、マシュウの墓に
 バラの苗を植えたことを話しました。

・マシュウが一番好きだと言っていた、
 白いバラ。
・それをお墓の傍らに植えられると思うと、
 うれしくなった。
・マシュウの傍に持って行くことで、
 きっと喜んでもらえるという気がした。
・天国でも、あんなバラを、
 マシュウが持てたらって思う。
・小さなバラたちの魂が、きっと、
 マシュウを迎えてくれたに違いない。


・家に帰ると、マリラが夕日の中、
 玄関先に座っていました。
・明日は眼科の名医が来るので、
 検査するように言われたらしい。
・マリラはアンに、
 明日の留守番をたのみました。

・ハンカチにノリを付けすぎたり、
 ケーキに薬の味付けをする
 気遣いはもうないわ。
・アンは、そう言って、微笑んだ。

・マリラも口元をゆるめて、
 昔を思い出す。
・あの頃のあんたときたら、
 間違いをしでかす名人だったね、と。

・髪を染めた時のことも、話題に。
・あの頃、アンは髪の毛とそばかすを、
 とても気にしていた。
・ただ、それも昔。
・今ではそばかすは消えてしまったし、
 髪の毛はみんな、金褐色だと言ってくれる。

・話題は同級生のことに移り、
 やがて、ギルバートの話に。

・ギルバートは、
 彼の父親の若い頃にそっくりだという。
・ジョン・ブライスは
 なかなかいい青年だったと、
 マリラは話します。
・ジョンとマリラは、
 とても仲よしだったらしい。
・世間が、恋人だと噂するくらいに。

・けれど、その後、ケンカしたという。
・向うが謝ってきた時に、
 マリラはうんと言わなかった。
・後になってゆるす気にはなったものの、
 その時は、ツンツンして怒ってみせた。
・ともかく、思い知らせてやろうと思って。

・でも、ジョンは二度と、
 マリラのところにはやって来なかった。
・ブライス家の人間は、
 人に頭を下げるのが嫌いらしいのです。

・そんなマリラの話を聞きながら、
 アンは、ギルバートとの間に
 起こったことを回想しました。

・ずっと悪いことをしたと思っていたと、
 マリラは言います。
・そして、
 ゆるしてあげるチャンスを
 逃がすべきではなかったと、
 今でも思うと。

・マリラにも、そんなロマンスがあったのです。
・それがギルバートを見て、思い出された。


・アンとマリラの話は続く。
・表では、子猫が顔を洗っていました。

・静かに、静かに、夜は更けていきます…




心が前のように戻っていくことに、アンは罪悪感を感じました。

深く悲しまないのはおかしいと、思ってしまう。


そんな気持ちを、アンは牧師館のアラン夫人に、吐き出しました。

夫人は、アンが見逃していたことを、話してくれた。

それは、マシュウの気持ち。

マシュウが何を喜ぶか。

そして、こんなことも…


「自然が心の痛みを癒すように仕向けてくれるなら、わたしたちはそれに対して、心を閉ざすべきではないと思うの」


自然に、

自然に、


身を任せ、


自然に泣き、

自然に笑う…





赤毛のアン 第48話





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「赤毛のアン 第47章“死と呼ばれる刈入れ人”」

  • 2011/12/18(日) 23:29:05

成長したアンは、マシュウとマリラの愛を感じる。

でも、そこに…



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5月25日(火) 第47章「死と呼ばれる刈入れ人」

・マシュウやマリラの手伝いをする、アン。
・穏やかな時間が流れます。

・マリラの声に、アンは驚きました。
・見ると、マシュウが玄関先で、
 胸を押さえて倒れようとしている。
・手には、新聞が。

・そのままマシュウは、気を失ってしまいました。
・マリラが呼んでも、返事がない。

・手伝いに来ていたマーチンが、
 お医者さんとレイチェル夫人を呼びに行く。
・その間、マリラが心臓をマッサージします。

・駆けつけたレイチェル夫人が脈をとりますが…


・マシュウは、天に召されました。
・医者の診立ては、
 何か急激なショックを受けたのではないか、
 とのことでした。

・ショックの原因は、
 マシュウが手にしていた新聞にありました。
・アベイ銀行、破産。
・カスバート家は、全財産をそこに預けていたのです。


・マシュウの死を悼み、
 たくさんの友人・知人が
 グリーン・ゲイブルズを訪れました。
・放心状態のマリラに代わり、
 アンとマーチンが奔走します。
・レイチェル夫人が、いろいろと世話を焼いてくれました。

・アンは忙しい合間を縫って、庭に出て花を摘む。
・マシュウがその花々に、
 密かな愛情を注ぎ続けていたのです。

・アンもまた、深い悲しみの中にいました。
・顔は青ざめ、苦しみのあまり
 涙も枯れ果てたような目をしている。

・摘んだ花を、アンはマシュウの棺に供えました。


・燃えるような夕日に、
 グリーン・ゲイブルズの緑の屋根が照らされる。
・静かな、静かな、グリーン・ゲイブルズ。

・みなが、マシュウを送ります。

・ひとり、またひとりと、涙を流す。


・アンの部屋を、ダイアナがノックしました。
・ダイアナは
 今夜はわたしも泊まりましょうかと提案しますが、
 アンはひとりでいたいと。

・だまって、ひとり納得のゆくまで、考えてみたい。
・まだ うまくのみ込めないので、そうしたいと。

・マリラは堰(せき)を切ったような
 激しい悲しみに身を任せていましたが、
 アンは、ひたすら苦しんでいるようでした。

・ダイアナは、何も言わず、そのまま立ち去った。


・ひとりになったら泣けると、アンは思っていました。
・あれほど愛し、
 あれほど自分に尽くしてくれた、
 マシュウのために、
 一滴の涙も流すことができないなんて。

・でも、涙は出ませんでした。

・その代わり、
 何とも言いようのない鈍い痛みの様な切なさが、
 こみ上げてくる。
・そんなものに苛まれ(さいなまれ)ながら、
 世は更けていきます。


「1ダースの男の子よりもだよ」
「エイブリー奨学金をとったのは、男の子じゃなかったろ?」
「女の子さ」
「わしの女の子だよ」
「わしの自慢の女の子じゃないか」
「アンはわしの娘じゃ」


・マシュウの声が聞こえたような気がしました。
・また、笑いながら去っていったような気も。

・アンは出窓で体を震わせながら、泣きました。
・マシュウの名を呼び、大声で泣いた。


・その声を聞いて、マリラがアンの部屋へ。

・マリラが、アンの肩を抱く。
・それは、いつかどこかで見たような風景でもある。

・出窓に腰をかけ、マリラが話します。

・マシュウは本当にやさしい、
 わたしにとって、かけがえのない、兄だった。
・でも、これも、神様の思し召しだよ。

・マリラの膝の上で、アンが泣く。
・そして、
 マシュウがいなくなって、これからどうしたらいいの?
 と訴えかける。

・ふたりで力を合わせていくことだよ、アン。
・マリラは、アンを抱いて、そう言いました。
・あんたがいなきゃ、もしうちへ来ていなければ、
 わたしはどうしていいか分からなかったろうよ。

・マリラは話します。
・アン、これまであんたにゃ
 少しきつくあたったこともあったかもしれないけど、
 だからといって、マシュウほど
 あんたをかわいがっていなかったなんて思わないでおくれよ。
・わたしはね、こんな時でもない限り、
 思った通りのことを口に出して言えないんだよ。
・今ならそれができると思うから、言うけど、
 あんたはねえ、あんたのことは、
 自分の腹を痛めた子のようにいとおしいと
 思ってるんだよ。
・グリーン・ゲイブルズに来てからっていうもの、
 あんただけがわたしの喜びであり、
 慰めだったのさ。

・出窓のふたりを、月明かりが照らす。

・周囲の自然は静かに、マシュウを送り出す…




マシュウが召されました。

この世の仕事を終え、天に召された。


働き者で、やさしくて、誠実だった。

欠けていたものは、アンが補ってくれた。


アンのために、苦手な人付き合いもした。

時には、ガラにもない物を、買いに行った。

そして何より、親になった。

紛う方ない、立派な親に。


すべてを終えて、マシュウはいった。

欠けたものを補い、完成されて、立派に、いった…





赤毛のアン 第47話





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「赤毛のアン 第46章“マシュウの愛”」

  • 2011/11/14(月) 10:04:20

念願のエイブリー奨学金を得た、アン。

来期からはカレッジに通うことに…



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5月24日(月) 第46章「マシュウの愛」

・グリーン・ゲイブルズで朝を迎えた、アン。
・これまで勉強に励んでいたので、
 ゆっくり眠るのは久しぶりです。
・カレッジに通うまでの3ヶ月は、
 ここアボンリーで暮らせる。
・そう思うだけで、アンは満ち足りた気分に。

・家には、新しい手伝いの人が来ていました。
・ヒゲをたくわえた、マーチンという男の人です。
・彼は働き者で、経験もあってとても助かっていると、
 マリラは言いました。

・ひさしぶりの、3人そろっての朝食。
・マシュウもマリラも、たいそう満足そう。

・でも、アンは、マシュウの体調が気になる。
・心なしか、顔色が悪いようにも見えます。
・マリラによれば、あれからまた発作を起こしたのに、
 マシュウは体を休めようとしないらしい。

・アンは、マリラのことも心配します。
・とても疲れているように見える。
・マリラは歳のせいだと笑いますが、
 頭痛のこともあるので、気になります。

・アンはマリラに、
 自分が家にいる間だけでも休んでほしいと、
 言いました。
・家のことはわたしに任せて、のんびりしてほしいと。


・レイチェル夫人が、あわてて入ってきました。
・マシュウに急用があると言います。
・何でも、アベイ銀行が今度こそ危ないらしい。

・アンは畑にいるマシュウを呼びに行きました。
・マシュウの心臓に負担がかからないように、
 マリラはゆっくり話します。
・アベイ銀行から預金を移した方がいいらしいと。

・銀行倒産の話は、反アベイ派のデマだという噂もありました。
・そしてマシュウは、父親の親しい友達だった
 アベイさんを信用したい気持ちがある。

・マシュウはともかく、
 ラッセルさんに話を聞くことにしました。

・ラッセルさんが言うには、アベイ銀行は融資の焦げ付きで、
 一時、危機に陥ったらしい。
・ただし、今では持ち直したといいます。
・彼もまた、大口融資者の一人だという。

・ラッセルさんは、アンのことを話題にしました。
・たいへんな秀才で、レドモンドカレッジに、
 無試験で合格したらしいじゃないですかと。


・安心したマシュウは、預金を下ろさないことに決めました。
・マリラは心配しますが、マシュウの選択を尊重します。


・ひさしぶりに、アンは思い出の地を巡りました。
・休暇中はマリラの手伝いをすることに決めましたが、
 今日だけはお休みです。

・風景が、音が、においが、思い出を くすぐります。
・アンは牧師館によって、アラン夫人とお茶を。

・そこでアンは、不安を口にしました。
・マシュウとマリラは、ずいぶん老け込んでしまっている。
・そんなふたりを残して、
 4年間もレドモンドに出かけると思うと…。
・家に残ってふたりを助けるのが本来の道ではないかと、
 そんな気がしてしまうと、相談した。

・大学の道は、あきらめきれない。
・でも、ふたりのことは心配。

・つらいまま
 レドモンドカレッジに行くしかないんじゃないかしら。
・アラン夫人は、そう言いました。
・アンがここで大学をあきらめて先生になれば、
 マシュウとマリラは、ひょっとしたら喜ぶかもしれない。
 喜ばないにしても、楽にはなるでしょう。
・でも、一生悔いを残すことになるかもしれない。

「いえねえ、アン。人間は苦しいからといって、悩みを切り捨てるわけにはいかないのよ。それが人間の良心というものなの」

・夫人はそう言いました。
・アンが大学に行くことをふたりが喜んでくださっているかぎり、
 そのことに感謝の気持ちを忘れず、
 悩みを抱えたまま、立派に大学を卒業するのが、
 あなたのとるべき道だし、
 おふたりの期待に応えることにもなるんじゃないかしら、と。

「人生というものは、割り切れなくてもいいのよ、アン。いいえ、割り切れてしまっては、ならないの」

・アンは来た時よりも、すっきりした心持に。


・夕暮れ前、
 アンは牛を追うマシュウと共に、家路へ。

・アンはマシュウに、
 どうして、のんびりやろうとしないのか、
 たずねました。
・マシュウは、もう歳なのだが、
 いつもそれを忘れてしまうといいます。
・まあ、ともかく、
 これまでずっとけっこう働いてきたんだから、
 そのままポックリ逝きたいね、とも。

・もしわたしが男の子だったら、
 大いに役に立って、楽をさせてあげられたのに。
・そんなアンの言葉を聞いて、マシュウは言いました。

「わしはな、アン。1ダースの男の子よりも、お前にいてもらうほうがいいよ」
「いいかい、1ダースの男の子よりも、だよ」


・エイブリー奨学金を取ったのは、女の子。
・わしの自慢の女の子だよ。
・アンの手をとって、マシュウはそう言いました。

「アンは、わしの娘じゃ」

・夕日とマシュウの愛に包まれて、
 アンは家路へと向かう…




大学進学という希望を勝ち取った、アン。

でも、老いたふたりを残して行くことに、一抹の不安と、罪悪感が。

でも、アラン夫人は、その両方を切り捨てることはないと言います。

その両方を持つことが、人間の良心なのだと。


いい事には悪い事が含まれるし、

悪い事にはいい事が含まれる。

だいたい、すべてがいい事も、すべてが悪い事も、なかなかない。

その両方の中で生きていくのが人間だと。


アンには、マシュウやマリラの愛がある。


マシュウとマリラにとって、アンは、

そして、アンにとって、マシュウとマリラは、

もう、代わりの利かない、かけがえのない、家族。



「アンは、わしの娘じゃ」


3人は、家族…





赤毛のアン 第46話





今日は、たくさん名言が出ましたね。





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「赤毛のアン 第45章“栄光と夢”」

  • 2011/11/07(月) 07:00:00

卒業試験が終わりました。

アンの結果は…



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5月21日(金) 第45章「栄光と夢」

・試験の結果が、発表される日が来ました。
・もうすぐ、合格者の名前が貼り出されます。
・そして、名誉あるメダルの受賞者と、
 エイブリー奨学金の獲得者の名前も。

・アンはジェーンに、
 心配で心臓が止まりそうだと漏らしました。
・見ると、手まで震えています。


・グリーン・ゲイブルズのマシュウも、落ち着かない様子。
・マリラも、アンの頑張りが報われることを望みます。


・アンはジェーンの手を握り、発表を見てきてと頼みました。
・もし落ちていても、慰めないで、はっきりそう言ってと。

・掲示板の前には、人だかりが。
・メダル受賞者はギルバート・ブライスだ、そう聞こえました。

・みんながギルバートを胴上げする横を通り、
 アンは女子の控え室へ。
・その後ろ姿に向かって、声がかけられました。

・アン・シャーリー、バンザイ!
・エイブリー奨学金の受賞者、
 アン・シャーリーのために、万歳三唱を!

・アンの曇っていた顔が、一気に晴れました。

・控え室に飛び込んだアンを、みんなが祝福してくれます。
・あのジョーシー・パイまでが、一応、祝福する。

・拍手と祝福に包まれて、アンは喜びの涙を流しました。
・努力が報われたのです。


・マシュウとマリラも、結果が気になります。
・もし、アンが奨学金をもらえなかったら、どうするか?

・マシュウは、それでも大学に上げてやろうと思う。
・お金なら、どうにかすると。


・アベイ銀行があぶないという噂がありました。
・グリーン・ゲイブルズのお金は、全部、アベイ銀行に預けてある。
・もし潰れてしまったら、
 アンの進学どころの話ではなくなってしまいます。

・と、外で物音が。
・クィーン学院に出入りしている教材屋が、馬車でやって来たのです。

・実は、エイブリー奨学金の受賞を一刻も早く知らせたいアンが、
 アボンリーに用があるというこの男に、手紙を託していました。

・マリラが読み上げようとするのを奪い、マシュウが読み上げる。
・エイブリー奨学金受賞を知り、心から喜ぶ、マシュウとマリラ。

・手紙には、こうも書いていました。

“栄光の金メダルは、ギルバート・ブライスが獲得しました。わたしはギルに、心から祝福を送りたいと思います。その上、何より素晴らしいことに、わたしたちステイシー先生の教え子たち全員が、合格したのです。わたしは、この素晴らしい日を、未来がバラ色に輝いた今日という日を、一生涯、忘れることはできないでしょう。

この成功は、運命の扉を叩くチャンスを与えてくだすった、おふたりの愛の賜物です。この愛に報いるためにも、わたしはこれからも一生懸命、勉強に励むつもりです。

本当にありがとう。おふたりに、心からの感謝を捧げます。

グリーン・ゲイブルズに飛んで帰りたい、アンより”



・マシュウが出かけようとする。
・どこかと思えば、ダイアナに知らせるのだという。

・バリー家には滅多に行くこともなく、
 情勢が苦手なマシュウが、そうする。
・マリラは思わず、
 「本当に、アンの事となると、何でもできるんですね」と。

・ただし、夜風は心臓に毒だからと、止められました。
・かといって、マリラは夜道を歩くには目が悪すぎる。

・マリラは、いい方法を思いつきました。
・ロウソクを使った、アンとダイアナの合図を使うのです。

・アンの部屋の出窓に、ロウソクを持っていく。
・紙で灯を隠したり、出したりして、
 モールス信号のように、合図を送る。
・すぐ来いは5回だと、マリラは覚えていました。

・運よく、ダイアナはそれに気づきました。
・アンが帰ってきたと、ダイアナは走って駆けつけます。

・先を争って報告しようとする、マシュウとマリラ。
・エイブリー奨学金受賞を知り、
 ダイアナは踊るようにして喜びました。



・卒業式の日が来ました。
・みな、晴れやかな顔で、式に臨みます。

・父兄席には、マシュウにマリラ、
 ミス・ジョセフィン・バリーの姿も。

・告辞、祝辞が述べられ、卒業証書が手渡される。
・賞状や、メダルの授与も行なわれました。

・そして、その中で一番晴れがましい顔をしているのは、
 誰あろう、マシュウとマリラでした。
・壇上では、アンが、エイブリー奨学金を受賞している。

・式の終盤では、最優秀の卒業論文を、アンが読み上げました。
・「あの子をうちに置いてよかったと思うだろう、マリラ」、
 マシュウがそう言うと、マリラは、
 「わたしがそう思うのは、これがはじめてじゃありませんよ」と返す。

・後ろのミス・バリーは、わたしも鼻が高いと喜びます。
・「70年も生きてきて、終いにこんないいことがあるなんて、
 長生きはするもんですよ」と、高らかに笑った。


・マシュウとマリラ、それにアン。
・3人は馬車に乗り、アボンリーへ。

・4月以来帰っていないアンは、もう1日も待てない。

・故郷の変わらぬ姿に、アンはホッとしました。
・そして、マリラにたずねる。

・いろいろな夢を描いて、その夢を実現させたいと思う時は、
 故郷を離れることは何でもないっていうけど、
 時々、たまらなく懐かしくなって、
 夢なんかどうでもいいから、すぐにでも飛んで帰りたいって、
 思っちゃうのは、どうしてかしら?

・それは当たり前じゃないかね、とマリラは答えます。
・それが故郷ってもんだ、そして、
 アンの故郷はアボンリーなんだと。

・マシュウも言います。
・どんなに遠く離れていても、お前はアボンリーのアンだよ。
・グリーン・ゲイブルズの、アンだよ。
・今までも、これからも。


・誰もいないはずのグリーン・ゲイブルズの窓に、灯りが。
・出迎えたのは、ダイアナです。

・アンは、グリーン・ゲイブルズに、帰ってきました…




アンと離れて暮らし、さみしい思いもしましたが、

マシュウとマリラは、晴れがましい思いを経験できました。


アンも、マシュウとマリラも、

さみしさを経たので、この上ない喜びを経験できた。


その前には、ダイアナと違う道を行くという、悲しみも経験しました。


取捨選択の中で、悩み、悲しい思いもし、

それでも選んで、

今がある。


だからこそ、離れても、帰ってくる…





赤毛のアン 第45話





アンの愛情―赤毛のアン・シリーズ〈3〉 (新潮文庫)







公式サイト:『赤毛のアン 作品紹介│NIPPON ANIMATION』





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